身体にあらゆる好影響をもたらすスーパーフード・スピルリナ。生活習慣病とも密接な関係にある現代人の悩みのタネ、高血圧にも改善効果が期待できるのでしょうか?
結論からいうと、スピルリナは高血圧改善を十分に期待できる食品です。スピルリナには血液サラサラ効果や血流のスムーズ化を促す栄養成分が豊富に含まれているからです。
それぞれの成分の働きかけや、それらの根拠となる研究結果などについて、ひとつづつ見ていきましょう。
スピルリナには、高血圧の改善が期待できる栄養素が豊富に含まれています。そのなかでも特に効果を発揮するといわれている3つの栄養素に着目してみましょう。
スピルリナに含まれる成分「カリウム」には高血圧を改善する効果があると言われています。高血圧の一番の大敵は塩分の過剰摂取。カリウムには体内の余分な塩分を排出する作用があるため、高血圧の改善が期待されているのです。
スピルリナはほかの食品と比較してもカリウムの量が多い食品です。スピルリナに含まれるカリウムの量は100g中1,050~1,800mg。カリウムが多く含まれる食品には、スピルリナのほかに野菜類、イモ類、果物類、海藻類などが挙げられます。
スピルリナをはじめ、カリウムの量が多い食品をまとめてみました。
●食品100g中に含まれるカリウムの量
スピルリナ | 1,050~1,800mg |
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アボカド | 720mg |
ほうれん草 | 690mg |
わかめ(水に戻した状態) | 520mg |
じゃがいも | 410mg |
見ての通り、100g中にカリウムを1,000mg以上を含有している食品はスピルリナ以外にはほとんどありません。わかめなどの海藻類もカリウムが豊富にあるように感じられますが、乾燥している状態と水に戻したときでは含有量が大きく異なってきます。実際に料理を行う際は水でもどさなくてはならないため、数値から期待されるほどの量を摂取することはできないのです。スピルリナに含まれるカリウムの量がどれだけ多いか、どれだけ効率的に摂取できるかが見てとれますね。
マグネシウムは体に必要なミネラルの一つ。そんなマグネシウムもスピルリナには豊富に含まれているのです。
マグネシウムが豊富に含まれている食品を摂り続けると高血圧を抑える効果が期待できることが、いまでは実験から明らかになっています。
研究を行ったのはインディアナ大学公衆衛生学部の研究チームです。2,208人を対象に行った臨床試験34件のデータを照らし合わせた結果、マグネシウム摂取量が多い人の血圧が低い傾向にあるということが立証されました。血圧が低いということは、体内のマグネシウムの値が高い人ほど血流が円滑であると言えます。このことから、カリウムとマグネシウムを同時に摂ることで効果的に血圧を下げられることがうかがえます。
スピルリナに含まれるマグネシウムの量は、100gあたり200~383mgほど。ほかの食品でマグネシウムの量が多い食品にはあおさ(素干し)・あおのり(素干し)など海藻類が目立ちますが、これらはあくまでも干された状態にて含まれている量。実際に食事に摂り入れる際には、摂取できるマグネシウムの量は大きく減ってしまうのです。
成人が1日に必要なマグネシウムの量は、270~370mg。マグネシウムを普段の食事で口にする海藻類だけで補うのは簡単ではありませんが、スピルリナを食事に摂り入れれば、すぐに1日の必要量を摂取できますね。
●食品100g中に含まれるマグネシウムの量
スピルリナ | 200~383mg |
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あおさ 素干し | 3,200mg |
あおのり 素干し | 1,400mg |
アーモンド炒り 無塩 | 310mg |
いわし 煮干し | 230mg |
カルシウム不足を解消することも、高血圧を防ぐことに繋がります。カリウムやマグネシウムで塩分を排出しながら、カルシウムの摂取も同時に意識するようにしましょう。
高血圧の主な原因は塩分の摂りすぎです。塩分を多く摂取してしまうと、カルシウムが体の外に排出されてしまいます。その結果として、カルシウム不足が引き起こされるのですが、その際には不思議な現象が起こります。カルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度が高くなるのです。
体の中のカルシウムは、ほとんどが骨の中。残りの1%程度は血管をはじめとする細胞に使われます。ごく微量ですが、心臓の筋肉や脳神経細胞の働きをコントロールするなどの重要な役割を持っているのです。
カルシウムが不足すると体が危険信号を出し、骨からカルシウムをピックアップして細胞へ補給を始めます。カルシウム不足が進むと骨からの補給量が増え、結果的に血液中のカルシウムが増えてしまうことに。血液中のカルシウムが増えると、カルシウムが血管の層に取りこまれて血管を収縮するため、血液の流れが悪くなってしまいます。その結果、血圧が上昇して高血圧になってしまうのです。
スピルリナに含まれているカルシウムの量は100gあたり263~495mgです。カルシウムが多く含まれている食品は魚類や乳製品がほとんどですが、これらには塩分を排出するカリウムの含有量が少ないものばかり。カルシウム不足が解消されたとしても、塩分を排出できなければ高血圧の予防につながりません。高血圧を解消する際にカルシウムを摂るのであれば、カリウムも豊富な食品を選ぶことが大切なのです。
高血圧改善に効果を発揮するスピルリナ。その成分と合わせて摂取することで、より高血圧予防に役立つ2つのサポート栄養素を紹介します。
栄養ドリンクの成分として知られているタウリンも、血圧を下げるはたらきのある成分です。タウリンには抗酸化作用があり、活性酸素を減らしてくれます。活性酸素は血液がドロドロになる原因にもなるので、活性酸素を減らせば血液がサラサラになるというわけです。
人の体の中でもタウリンをつくることができますが、合成能力が低いので食品から採ることが効率的です。
タウリンが多く含まれているのは魚介類。とくに多いのがカキ・サザエ・いか・たこ・いわし・かつおの血合いの部分などです。動物から昆虫まで、あらゆる生物にタウリンは含まれていますが、地上の動物にはほぼありません。魚介類からの摂取がおすすめです。タウリンは水に溶けやすい性質を持っているので、料理の際には煮物やお吸い物などにして、汁ごと食べるようにしましょう。
DHA・EPAは魚に多く含まれている有名な成分です。実はこの2つも高血圧に効果を発揮します。
DHAには血液に関するさまざまなトラブルを予防する効果が3つあります。
EPAには血液をサラサラにする作用があり、血栓がつくられにくい状態へと導きます。血液がサラサラになれば心臓への負担が減るので、血圧が下がっていくのです。また、中性脂肪を減らして血栓ができにくくなるので、高血圧の予防にもつながると考えられています。
DHA・EPAを含む食品は主に魚で、マグロ・ブリ・サンマ・イワシといった回遊魚ばかりです。回遊魚はつねに泳ぎ続けるためのエネルギーとして体内にDHA・EPAをたくさん含んでいますが、食品からDHA・EPAを摂れるのは主に魚介類のみ。高血圧改善を考えている方は毎日の食事で魚介類を摂取しましょう。スピルリナと合わせて摂取すれば、より高血圧予防のサポートに役立ちますね。
高血圧の改善は食事に気をつけることが大切ですが、毎日続けるとなるとなかなか難しいところもあります。スピルリナには高血圧を改善する成分が豊富に含まれています。血圧が気になる方は、ぜひスピルリナを試してみてください。